外国為替市場と為替相場の傾向


FXなどの為替相場を利用した投資取引においては、通貨が売買されることによっておこる為替レートの変動を、的確に予測して掴むことが必要不可欠になります。

為替相場の予測を行うためには、まずは外国為替市場の大まかの仕組みを理解すると、様々な相場の特徴やクセを読み取りやすくなるために、その精度をより高めることができます。

外国為替市場は、世界中に点在する為替市場をインターネットなどの通信網を介して連携した、いわば仮想市場のようなものと考えていいでしょう。
東京、ロンドン、ニューヨークといった三大市場を中心に、為替市場同士が引き継ぎ合うようにして相場を保ち続け、日本時間で月曜日の早朝から、土曜日の早朝までの間、24時間取引きが可能となっています。

この規則性が、例えば時間帯ごとの相場の特徴を作ることになっており、例えば最初の三大市場である東京市場が開場すると、実需筋の取引きが活発に行われて、相場が大きく動くことがあります。

実需筋とは、企業などが貿易や資本取引などの実質的な商取引に基づいた通貨売買を行うことで、こうした市場参加者が多い場合には、通貨そのものを売買して利益を上げる投機筋での取引きと違い、そこに需要と供給の均衡が生じることが少ないために、直線的に大きく為替レートが変動する傾向があります。

この実需筋の取引きの動きは、東京市場で多くみられ、これは外貨で得た売上金を日本円に替えたり、仕入れを行うために日本円を外貨に換えたりといった事が盛んに行われるためで、特に世界で一番に流通し取り引きされている基軸通貨であるアメリカの米ドルと、日本の円の間の為替レートの間には、この実需筋の動きが時間帯によって現れやすくなっています。

それぞれの企業が動き始めて取引きを行い、また為替取引の基本となる仲値が決定される午前10時ごろを中心とした朝の時間帯と、午後の仕事が始まる午後の初めの時間帯では、この実需筋の値動きにより、為替相場は大きな値動きを見せるようになるのです。

時間帯の傾向だけではなく、こうした実需筋が絡む相場傾向はこの他にも日によるものがあります。
いわゆる5日、10日、15日などの、5や0が付くゴトウ日に関しては、切りが良いとの事で、多くの企業で決済や締め切りの締日などになっていることが多く、これにより為替レートの変動が大きくなったり、米ドルと円の為替値に一定的な偏りが生じることがあります。
また、これに関連して、月の前半のゴトウ日には仕入れのための外貨獲得の動き、円と米ドルで言えばドル買いの動きが強くなり、月の後半のゴトウ日では支払いのための外貨解消の動き、円と米ドルではドル売りの動きが強くなるため、それぞれにドル高円安、ドル安円高の方向に為替ルートが進みやすくなります。

こうした傾向は、年度の決済等に係る特定の月においても、為替相場に一定の流れを生み出しています。

例えば、日本の企業の決算月である9月と3月は、それまでの収益などを取りまとめるために、海外資産や保持している外貨を売却する動きが多くなり、結果的に円が高くなる様子が見られ、特にドル安円高の方向に進みやすくなり、この決算が終わった10月と4月には新規の事業計画などの影響により、円が積極的に活用されることにより円がやすくなり、ドル高円安の方向に振れやすくなります。

また、日本以外の国々では四半期決算が多くみられ、3月、6月、9月、12月が決算月で、その次の月が新規月となるために、この間においても為替相場に一定の動きが現れます。
特に12月は、年度末決算にもなっているため、世界中に拠点を持つアメリカの企業が一斉に本国への資金還流を考えドルを買い進むため、大きくドル高の方向へと為替レートが変動していくことが知られています。

外国為替市場では、このような要素も絡んで為替相場が大きく変動します。
これ以外で面白いところでは、私たちや世界中の人たちのライフスタイルも、為替相場の傾向に絡んでくることがあり、日本ではゴールデンウィークやお盆休み、正月休みの前後では、企業や投資家も含めて休みの期間の調整を行いますので、為替相場の動きが活発になります。
ちなみに、アメリカでは11月末の感謝祭とクリスマス、ヨーロッパでは同じくクリスマスと春の復活祭、アジアでは春節の休みなどが、為替相場へと影響を及ぼすのです。